対処・応急処置

心筋梗塞を発症してしまった場合、壊死した心筋が回復することは無く、最悪の場合は命を落としてしまい、命が助かったとしても治療までに時間がかかった場合は、心臓の機能が低下してしまう可能性が高くなります。
そのため心筋梗塞に対しては1分1秒を争う対応が必要となるのです。

突然の発症に備える!

心筋梗塞の実に半数近くは、特に前触れもなく突然発症していると言われております。
また、心筋梗塞により冠動脈が閉塞した場合、閉塞してから約20分から心筋は壊死していくとされています。

病院の目の前にいるなどの奇跡的な場面でない限りは、安静にした状態にて救急車を呼ぶことが最初に行う最も大切な対応となります。

いざ救急車を呼ぶとして

近年緊急を要していないにも関わらず救急車を呼ぶことが問題となっております。

心筋梗塞は命に関わる疾患ですので、躊躇せずに救急車を呼ぶ必要があります。

多くの人は救急車を呼んだことが無いと思いますが、いざ呼ぶことになった場合に、何を伝えなければいけないかを考えている時間はありませんので、予めシミュレーションしておくことが大切です。

救急車の呼び方

・電話にて局番無しで119番へかけます。

携帯電話からでも119番は繋がりますが、管轄外の消防へ繋がる場合もあります。

・救急であることを伝える。

消防本部へつながった場合、通報の種類を聞かれます。
心筋梗塞、及び病気や怪我などでの救急車の出動願いは「救急」という通報種類になります。

・住所を伝える。

実際に救急車の出動を必要としている場所を伝えます。
自宅の場合は住所を伝えられると思いますが、出先の場合は、電信柱などで住所が分かる場合は伝え、住所が分からない場合には近隣にある建物、店舗の名称、交差点名、道路名など目印となるものを伝えるようにしましょう。

・できるだけ状況を伝える。

多くの場合は強い胸の痛みなどの症状となりますが、意識不明、呼吸停止、心臓停止などの可能性もあります。
しかし、急を要している場合には、的確に伝わらなくとも「倒れている」という状況だけでも必要性は十分に伝わります。

・電話を切らない

場所と状況を伝えることで、既に救急車の要請は終わっているといえますが、出先などで携帯電話を使用している場合でも電話は切らずに、情報の連携を行うようにしましょう。
電話の指示により、少しでも命を落とす危険性が減ることもあるのです。

意識が無くなった場合の応急処置

心筋梗塞では、心筋の働きが不安定になることから不整脈や心室細動などの心停止の危険性があります。

心臓が停止することで、全身への血液の供給がストップしますので、時間が経つことで様々な障害が発生する可能性が高くなります。

ご家族はもちろん、出先などで倒れている人がいる場合には、心肺機能を蘇生させる為の救命法が必要となります。

AEDの必要性

空港や駅、最近では大きな店舗などでも見かけるAEDは、心室細動(心臓が細かく痙攣し機能していない状態)を回復させるのに効果的です。

AEDは自動で心室細動の有無を確認することができますので、正常な拍動時に誤って使用するという危険性はありません。

救急車が到着するまでには、どうしても時間が経ってしまいますので、誰しもが使えるように使用方法を一度確認しておくことをお勧めします。

心臓マッサージ

心停止してしまった場合に、何も道具を使わずに回復させるためには心臓マッサージを行う必要があります。

心臓の拍動は脈拍にて確認することができまして、手首でも脈拍は確認できますが、確認できない場合もありますので、首にある頚動脈にて確認するようにしましょう。

気道確保を行うことで、心臓マッサージのみでも胸が上下することで肺へ空気が送られると考えられております。

心臓は胸の中心にありますので、みぞおちの少し上(左右の乳頭の中心)を掌の付け根の部分で1分間に100回ぐらいのリズムで押します。

人工呼吸を行う場合は30回を目安にし、人工呼吸を行い、その後すぐに心臓マッサージを再開してください。心臓マッサージは続けることが何よりも大切であり、人工呼吸を行う場合でも10秒以上感覚を開けないようにしましょう。

人工呼吸を行わない場合は、脈が回復した場合や、AED、救急隊員が到着するまで続けるようにしましょう。

人工呼吸

上顎を持ち頭部を上に反らすことで気道を確保して行う人工呼吸は、呼吸が停止している人に対して行う必要があります。

近年では、心臓が停止している際には、人工呼吸は行わずとも心臓マッサージを続けることが優先されるようになっております。

シミュレーションの大切さ

救命法などはもちろんですが、突然目の前で人が倒れた場合、パニックに陥ってしまい救急車すら呼べない場合もあります。

最も大切なのは落ち着くということですが、対応方法を確認しておくということで、突然のパニック状態を避けることができます。

心筋梗塞は誰にでも突然起こり得る疾患ですので、誰しもが対応できるような状態を作っておくことが望ましいのです。